夜の声 (創元推理文庫 (536‐1))
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※ 価格等のデータは日本時間 2009/01/08 07:57:17 時点のものです。
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夜の声 (創元推理文庫 (536‐1))購入者の感想
「夜の声」は東宝映画「マタンゴ」の原作であるが、映画とはまた異なった忘れることができない物語。今、読みたいなら「怪獣総進撃」(出版芸術社刊)くらいしかない。またホジスンはポーの作品を愛した人であったが、自らの作品はクトゥルフ神話でおなじみのラブクラフトに多大の影響を与えている。「マタンゴ」、ポー、ラブクラフトに興味がある人にはホジスンの作品はいずれも期待を裏切ることはない。幽霊ハンター・カーナッキーのようなシリーズもあるが、概してひしひしと迫る怪物の恐怖、孤立感、そしてロマンスに満ちた物語である。
復刊を待ちたいが、待てないと言うファンで英語でも読みたいという方には Collected Fiction of William Hope Hodgson という全集もあります。ペーパーバックでも豊富にある。それなのに邦訳がわずかというのは惜しい。本書などは一読すれば必ずホジスン・ファンになること間違いない編集なのだが。
収録作品中、最後の「水槽の恐怖」以外すべて海のお話です。
手を変え、品を変え、海の恐怖を書き綴った作品の数々は、水夫経験を持つホジスンらしいといえますが…
…ちょっとくどかった。
おいおい、次はなんだよ。蛇か?きのこか?原始人か?
などと思ってはいても、やっぱり恐怖の正体を知るまでは目が離せず、一気に読みきってしまいます。
それに、なんといってもホジスンのすばらしいのは、最後の締め。
締まりがいいので、読後感がいい。
読んでいて気持ちがいいです。
こんなところも、怪奇小説では珍しいかと思います。
個人的に好きな締めは、「水槽の恐怖」。
自身8年間海上生活を送ったことのある異能の作家ホジスンの、異端の海洋文学短編集です。サルガッソー神話譚に代表される様な、海の深秘と沈黙の中から現れる数々の奇怪な生命の横溢が、全編を狂い抜けます。
収録作品は以下の通り。
夜の声 (ひと組の男女が流れ着いた先はキノコの島だった。映画『マタンゴ』の原作になりました)
熱帯の恐怖 (船を襲う大海蛇の恐怖)
廃船の謎 (サルガッソーの廃船に巣食っていた恐怖の正体は?)
グレイケン号の発見 (私の友人は恋人をサルガッソーから救い出す為に船を乗っ取り……)
石の船 (或る夜海の真ん中に突如として現れた石の船の怪異の数々)
カビの船 (物質と状況と「第三の因子」が思わぬ作用を)
ウドの島 (ピピー少年とジャット船長は〈悪魔の島〉へ)
水槽の恐怖 (巨大な水槽近くで起こった殺人事件の犯人は?)
訳文には若干首を傾げるところもないではありませんが、とにかく傑作揃いの一冊なので、怪奇小説の愛好家も海洋文学を愛でる人も、是非手許に置いてみて下さい